プレミアエイジの仕事図鑑 笑顔で楽しく仕事を続けているシニアたち

定年と呼ばれる歳になろうとも、楽しく仕事を続ける人たち

シニア世代の中には、定年などどこ吹く風とばかりにプロフェッショナルとして働き続けている人がいます。

これらの人たちに共通しているのは、替えがきかない匠の業です。さらには、収入もさることながら求められることの喜びをこの人たちが語る点も共通しています。
齢を積み重ねて定年と呼ばれる年齢を超えようとも、力強く社会にメッセージを残す人たちを紹介していきます。

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「遊んで暮らしたい」と将来の夢を語るH・Hさん

「遊んで暮らしたい」と将来の夢を語るH・Hさんは80歳を越えています。
Hさんは岩手県で、60歳を過ぎてから仲間と会社を立ち上げました。漬け物の会社です。
気心知れた仲間と立ち上げた会社は、毎日笑顔であふれています。

夢は遊んで暮らすことだけれど、利益は度外視。どれだけ楽しく過ごせるかがHさんの日々の関心事です。
朝はそれぞれが可能な限り早い時間に起きて、談笑しながらの仕込みや準備。事務などを行う若い子を雇用する余裕も今はできました。
若い子たちと話せるのも、この会社を立ち上げてよかったと感じる点の一つだとHさんは笑いながら話します。

同社の主力商品の漬け物はあきたこまちの麩などで漬ける豊かな味わいが人気です。今では県内外から注文が殺到していると言います。
「楽しんでいたら、いつの間にか利益の方も追いついてきた。嬉しいことだね。この調子で将来は遊んで暮らしたいな」

Hさんの顔からは、終始穏やかな笑顔が消えることがありませんでした。

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4人に1人が60歳以上の社員

岡山県のとある株式会社は、シニア向け衣料品の縫製会社です。
総勢130人の従業員のうち、なんと4人に1人が60歳以上といいます。その中の最高齢は社長のT・Hさんで、89歳の女性。

「まだまだ誰かに社長の椅子を譲る気はない。私が十分やれているし、皆も私についてきてくれているから」そう気を吐くTさんは、実際に社員の皆さんから好かれています。

今日も、社長室には頻繁に人が出入りして、Tさんに意見を求めます。この生地をどう思うか、この資料に不明な点が、最近体調が悪いんです、この間親戚から美味しいお酒をもらったのでどうぞ――など、仕事のことばかりでなく、プライベートも相談できる“姉御”といった感じです。

この会社では普通のカーテンはもちろん、介護施設などから特注衣料品も受注しています。特注品の裁縫は高い技術力が求められ、長年の経験が最大の武器となります。
「目をつぶっていても縫える」と話す66歳の社員Y・Aさんはなんと勤続42年の大ベテラン。社長のTさんは「辞められると困る」とこのベテラン社員を高く評価しています。

他にも、「この会社の経理情報はすべて把握している」と豪語する62歳のE・Hさん。「見なくても書類がどこにあるかわかる」と胸を張る事務のR・Tさんは65歳。
皆さん、それぞれ仕事中は真剣な顔で取り組んでいますが、休憩時間は穏やかに談笑し、オン・オフがしっかりできていることに驚きました。

最後に社長のT・Hさんに今後の夢や理想を伺うと、
「私が在任中は社員全員生きていること」と、晴れやかな笑顔で宣言されました。

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超高齢化社会で働き続けるということ

このように、定年と呼ばれる年齢を大幅に過ぎても元気に働くシニアは多数存在します。
素養があったからこうなった、という人たちばかりではありません。日々の小さな積み重ねが、結果的にこうした“生涯現役”を呼び込んだのではないでしょうか。

’08年には、90歳で長編映画『夢のまにまに』で監督デビューを果たした木村威夫さんのニュースに驚いた方も少なくないでしょう。
こういった例が、そんなに珍しいものとして扱われなくなる日は近いと考えています。

自分の専門性、また資格などの特殊技能を活かして仕事を探す場合なら、定年後でもまだまだ働くための間口は広く社会に存在します。
超高齢化社会と呼ばれる日本では、シニア世代のリタイアする権利などと同時に、彼らが自発的に働くための権利も保証しようとしています。

少子化と言っても、子どもがいなくなったわけではありません。まだまだ社会には、多数の“子どもたち”が入ってきます。
あなたの会社にも、新卒として息子と歳がそう変わらない子どもが入ってくることでしょう。

そんな彼らに、技術を、思想を、生き方を示して教えるのがシニア世代の勤めであり、そしてそのことを幸せと感じている人もいます。
定年後でも、私たちはまだまだ働けます。

お金のためではなく、自分たちのため、ひいては社会全体のために。
私たちの知識を共有し、若い世代に伝えていくために定年後のリタイアではなく、そのまま働き続けることを考える人も多くなっています。
家庭とは別に、仕事場にも子どもがいる。そう考えると、少しわくわくしてきませんか?

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