満60歳からのJAZZ入門

第1回 JAZZをどうコレクションするか!?

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今からでも趣味の達人くらいにはなれる!

一線の仕事からリタイヤしたばかりの60代などは、シニア世代といっても、実際にはヤングアダルトの気分もあるだろう。まだ聴いていなかった音楽だって何千曲もあるし、映画だって見たい名作は何100タイトルもある。今の時代、不況とは言っても趣味に走ろうと思えば何でも手に入るし、暇ができたとあれば、今こそ好きなことに邁進してもいいのではないだろうか。

このコーナーでは、学生時代に多少聞きかじったものの、社会に出た後は忙しすぎて音楽など聴く暇がなかった人向けに「満60歳からのJAZZ入門」をお届けしたい。これから百歳までは無理でも、90歳まで生きるとすればまだ30年もある。30年間もいろいろ楽しめるなら、趣味などもおそらく達人の域に到達するはずだ。

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さてそのテーマとなるJAZZだが、このジャンルの音楽が誕生しておよそ100年の歳月が経過した。これだけの年月を経てもなお、多くの人に愛されるJAZZだからこそ、60代からでも入門する人が跡を絶たないのである。
映画の中、バーやレストランなどさまざまなシーンでJAZZは流れている。BGMとして聞き流しても心地よいが、JAZZは慰め、高揚、熱狂といったあらゆる感情が含まれる「おとなの音楽」といえる。さらに深く踏み込めば、生涯付き合える音楽になる。演歌の好きな70歳もよいが、JAZZの好きな70歳なんて、カッコイイとは思いませんか?

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JAZZにはその場でしか表現できない名演奏がある

JAZZはどんな素材も極上の音楽にしてくれる。
たとえばミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」でジュリー・アンドリュースが歌った「マイ・フェイヴァリット・シングス」は、わずか2分半の歌に過ぎないが、ジョン・コルトレーンが60年に同名アルバムに収録した「マイ・フェイヴァリット・シングス」は、13分にも及ぶ。歴史的名演奏となったコルトレーンとエリック・ドルフィーの競演によるヴィレッジバンガードの同名曲は20分以上演奏しても終わらない。
なぜこれほど演奏時間が違うのかといえば、JAZZにはアドリブがあるからだ。
興のおもむくままアドリブを続けることで、同じ曲から全く違うフレーズが生まれ、その日、その場でしか表現できない名演奏が生まれる。それがJAZZだ。

JAZZをどういったスタイルで聴くか!?

さてそんなJAZZの歴史上の巨人や100年の歴史を大真面目に解説しても面白くない。そういったものはたくさんの入門書が出版され、ネット上でも情報公開されているので、そちらをご覧いただくとして、このコーナーではちょっと変わった楽しみ方などをいろいろ紹介してみよう。

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まずはJAZZをどうコレクションし、どういったスタイルで聴くかに言及したい。今の団塊世代(66歳~70歳あたりまで)の人が学生時代に聴いたJAZZは、みなアナログレコードという30cmの塩化ビニル系樹脂盤だった。やがて世の中からこれを聴くためのアナログプレーヤーがなくなり、CDが全盛となったが、このCDも淘汰され始め、ネット配信の勢いが増した。

ただし現在は古きアナログレコードが見直され、CDも残り、それらを併用しつつ、PCでデジタルデータを管理する時代になった。
自宅のリビングにシステムコンポを配置する人もいれば、PCに良質なスピーカを付け、PC保存の音楽をガンガン鳴らす人もいる。またハイレゾ音源という超高音質データを収録してネットワークオーディオを楽しむ人も増えている。実に千差万別の楽しみ方だ。通勤電車の中でイヤホーンやヘッドホーンを身につけているのはもはや若い人だけでなく、

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けっこうな年配の人もスマホやオーディオプレーヤーを音源に、イヤホーンやヘッドホーンで音楽を聴いている。当コーナーはシニア読者を対象としているので、かつてのアナログレコードやCDをケースに並べてコレクションしたい人にも、断捨離(だんしゃり)に徹してかさばるコレクションは避け、それでも何万曲ものコレクションが可能なPC管理を目指す人にも読んでもらえる記事づくりを目指したい。

廉価版ボックスセットで歴史的名盤をゲット!

まずはコレクション派を対象に話を進めよう。かつてアナログレコードのアルバムは、1枚2000円~2800円もした。CDの時代に入っても、新譜はやはり2000円~3000円もした。だが昔と今の物価を比較すれば、アナログ時代よりCD時代のほうがコレクションしやすくはなった。

高額預金のある人なら、いまから数百枚、数千枚規模のコレクションを集めることも可能だろう。月に1枚程度しか買えなかった学生時代を思い起こすと隔世の感がある。ただCDを集めるにしても、お金をそれほどかけない方法もある。筆者のような年金暮らしの身でも可能なコレクションづくりもあるということを覚えておこう。

JAZZの名盤にはさまざまある。海外アーティストの名盤なら、何も高い国内版を買わなくても、廉価な輸入盤を集めればよい。たとえばピアノトリオを極めたビル・エヴァンスのCDを集めたければ、多くの廉価版が存在している。「ワルツ・フォー・デビイ」や「Exploration」などの名盤を国内版で揃えようとすると、1枚2000円程度はする。通常ルートの輸入盤でも1000円以上するケースが多い。しかし、輸入盤の「12Classic Albums」なら1956年から1962年の絶頂期に録音した12枚を収録してわずか2352円で新品が手に入る。アルバム1枚当たりの単価は何と196円である。

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この種の廉価版ボックスセットはストレートにアマゾンで検索してもすぐ出てこないが、いろいろクリックして奥へ入っていくと表示される。
ビル・エヴァンスに限らず、マイルス・デイビス、ジョン・コルトレーン、チェット・ベイカー、セロニアス・モンク、ニーナ・シモン、チャーリー・ミンガスなどすでに他界したジャズの巨人たちの名盤がズラリ揃っている。

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筆者も学生時代に友だちに借りてカセットテープに録音しまくったマイルス・デイビスの名盤20CD(パーフェクト マイルス・デイビス コレクション)を、アマゾンで4453円でゲットした(アマゾンの輸入盤価格は日々変動し現在は7980円)。「カインド・オブ・ブルー」や「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」などは格安の輸入盤でも1400円前後するのに、このセットだと1枚当たり223円だった。

有名アーティストの代表作ばかりをコレクションしたセットもあり、これからJAZZに入門したいシニアなどにはうってつけだ。
みな新品で録音も悪くないので、1万円くらいの予算でもかなりの名盤を揃えることができる。

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※輸入盤価格は日々変動します